相場はいくら?ファクタリングにかかる手数料を総まとめ
企業経営を行っていると、突発的な資金需要は往々にしてあります。
そんな時大活躍するのが、ファクタリングです。
即日の資金調達にも対応できるので近年ファクタリングの利用者は増えています。
「即日で資金調達できるんだから、手数料が高いんじゃない?」
このような疑問をもつ方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はファクタリングの手数料の相場について徹底的に説明していきます。
目次
ファクタリング手数料の変動要因とは?
インターネットでファクタリングの手数料を調べると、ファクタリングの手数料にはかなりの幅があります。
なぜ手数料に幅があるのでしょうか?
この章ではファクタリングの手数料の3つの変動要因について詳しく説明していきます。
売掛債権のリスク
まず1つ目のファクタリングの手数料の変動要因は、売掛債権のリスクです。
ファクタリングは、売掛先の信用情報が何よりも重視されます。
売掛先の信用状態によって、ファクタリングの手数料が変動するのは当然ですね。
銀行の借り入れも、融資する企業によって金利は変わります。
信用力の高い会社であれば金利は低くなりますし、信用力の低い会社であれば金利は高くなります。ファクタリングもまったく同じです。
但し、銀行融資とファクタリングの違いは、銀行融資は融資対象企業の信用力が大事で、ファクタリングは、売掛先の信用力が重要です。
取引金額
2つ目のファクタリングの手数料の変動要因は、ファクタリングの取引金額です。
取引金額が大きいほど手数料は安くなる傾向にあります。何故かというと、ファクタリングの取引金額が大きければ大きいほど、ファクタリング会社に入ってくる手数料は大きくなるからです。
ファクタリング会社は取引金額が低いと十分に手数料を確保できないので、手数料率は高くなり、反対に十分な手数料が取れるのであれば手数料率は低くなります。
事務手数料
3つ目のファクタリングの手数料の変動要因は、事務手数料です。
事務手数料のほとんどが、司法書士に依頼した時に発生する登記費用になります。
この登記費用は、ファクタリングの取引金額で変わるものではなく一律で、ファクタリング会社の中には、登記を必要としていない会社もあるので、登記の必要の有無によってファクタリングの手数料は変わってきます。
以上のように、ファクタリングは、売掛先の信用力や、ファクタリングの取引金額、事務手数料によって手数料は変わります。
では、ファクタリングはどの種類のファクタリングを行っても手数料は一緒なのでしょうか?
次章では、ファクタリングの種類による手数料について詳しく説明します。
取引の種類によって相場は変化する
以上では、ファクタリングの手数料の変動要因について説明しました。
この章では、ファクタリングの取引形態によって手数料はどう変わるのかについて説明します。
ファクタリング契約の4つの種類を説明していきます。
2社間ファクタリングの手数料
まず1つ目のファクタリングの取引形態は、2社間ファクタリングの場合です。
2社間ファクタリングとは、ファクタリング利用会社とファクタリング会社の取引。
ファクタリング利用会社が、売掛先から売掛金の入金を受けて、ファクタリング会社に返済するものです。
売掛先に、ファクタリングを行ったことを知られないメリットがあります。
しかし2社間ファクタリングはファクタリング会社からみるとリスクが高い。
売掛先の信用リスクの他にファクタリング利用会社のリスクもあるからです。
ファクタリング利用会社に売掛金の入金があるということは、ファクタリング利用会社が、ファクタリング会社に売掛金の入金資金を渡さないリスクがあるのです。
2社間ファクタリングは手数料が高く、ファクタリング会社によりますが相場は、買取売掛債権に対して10%~30%になっています。
3社間ファクタリングの手数料
2つ目のファクタリングの取引形態は、3社間ファクタリングです。
3社間ファクタリングとは、ファクタリング利用会社、ファクタリング会社、売掛先会社の3社が関与するファクタリングです。
3社間ファクタリングのスキームですが、ファクタリング会社は、ファクタリング利用会社に売掛債権の買い取り金額を支払います。
売掛債権の回収はファクタリング会社が行います。つまり売掛先から、ファクタリング会社に直接入金になる仕組みになっています。
この3社間ファクタリングは、売掛先にファクタリングを行ったことを知られるデメリットがあります。
裏返すとファクタリング会社にとっては、売掛先が信用できる会社なら回収できるのでリスクが低いのです。
当然手数料も、3社間ファクタリングに比べると安くなります。
2社間ファクタリングの手数料の相場は、買取売掛債権に対し1%~5%程度が相場になります。
リコースファクタリングの手数料
3つ目のファクタリングの取引形態は、リコースファクタリングです。
リコースファクタリングとは償還求償権があるファクタリングで、売掛金が回収不能になった場合、ファクタリング利用会社に売掛金が回収できなかった責任を請求することができます。
ファクタリング会社からみると、売掛先の信用リスクに問題があってもファクタリング利用会社に請求出来るので、売掛金の未回収のリスクが減ります。
一方ファクタリング利用会社からみると、売掛先の未回収のリスクを背負うことになるのでリスクが高くなります。
よって手数料は、次に説明するノンリコースファクタリングよりも安くなります。
ノンリコースファクタリングの手数料
4つ目のファクタリングの取引形態は、ノンリコースファクタリングです。
ノンリコースファクタリングとは、先ほど少し触れましたが、償還求償権のないファクタリングです。
リコースファクタリングと違い、売掛金が回収不能なった場合でも、ファクタリング会社は利用会社に請求することは出来ません。
ファクタリング会社からみると、売掛先の信用状態が悪化して売掛金の回収が出来なかった場合、その時点で損失を被ることになります。
よってリスクの高いファクタリングになります。
一方ファクタリング利用会社からみると、売掛先の未回収のリスクを背負わなくて済むのでリスクは低くなります。
よって手数料は、リコースファクタリングよりも高くなるのです。
以上がファクタリングの種類による手数料の違いになります。
2社間ファクタリングでノンリコースファクタリングの場合が最も手数料が高くなり、逆に3社間ファクタリングでリコースファクタリングの手数料が一番安くなります。
しかし、ファクタリングの手数料をみてびっくりした方もいるのではないでしょうか。
特に2社間ファクタリングの手数料10%~30%に驚いた方はいると思います。
実は、ファクタリングの手数料の中には掛目が入っていることが多いのです。
次の章では、分かりづらい掛目と手数料の違いについて説明していきます。
間違えやすい掛目と手数料の違いとは?
先ほどの章まで、ファクタリングの手数料について説明してきました。
この章では、間違えやすい掛目と手数料の違いについて説明していきます。
掛目とは、担保を時価に対し低く評価することを言います。
住宅ローンを組むときに自宅を担保に入れますが、この時、住宅ローンは自宅の時価の満額まで借りられることはありません。
何故なら、時価通りに売れる保証はないからです。
住宅ローンを貸した後、大きな事件があってその街の評価が下がってしまったらどうでしょうか。
銀行からみて住宅ローンを自宅の時価まで貸していたら、担保の自宅を売っても満額回収出来るかは分かりません。
掛目は、これくらいなら間違いなく売れるだろうという金額にするためのものです。
では、ファクタリングでいう掛目の意味はどのようなものでしょうか。
ファクタリングでいう掛目とは保証金のようなものです。
保証金ですので、取引が正常に行われれば返ってきます。
このケースの場合、評価額は100万円×80%=80万円になります。
買取金額は80万円-80万円×5%=76万円になります。
売掛金を回収できた後に、掛目分の20万円がもどってくる仕組みです。
実際にファクタリング会社に払う手数料は4万円ということになります。
これが掛目と手数料の違いです。
掛目はどのように決まるかというと、売掛先の信用リスクや、ファクタリングの種類にもよります。
売掛先が安定していれば掛目は高くなりますし、3社間ファクタリングのほうが2社間ファクタリングに比べてリスクが低いので掛目は高くなるのです。
ファクタリングは手数料の中に、掛目の金額も入れているので手数料が高く感じますが、実際に業者に払う手数料とは違うことがポイントです。
最後に
今回は、ファクタリングの手数料についてまとめていきました。
ファクタリングの手数料は、売掛先の信用、取引金額、事務手数料、またファクタリングの種類によっても変わってきます。
ファクタリングの種類には、2社間ファクタリング、3社間ファクタリング、リコースファクタリング、ノンリコースファクタリングがあることを紹介しました。
ファクタリングの手数料は様々なので、ファクタリング会社との相談すればより詳しい情報を聞き出せるでしょう。
しかしファクタリング会社と有利に交渉をするためにも、ファクタリングの手数料の相場について知識を深めたいです。