どうする?ファクタリングの仕訳方法とは
大口の取引が入って急に資金調達をしなければならない。
そんな時便利なのが、ファクタリングです。
使い勝手が良く便利なので、最近はファクタリングで資金調達する人も増えています。
即日の資金需要にも対応してくれるファクタリングですが、会計上どのように仕訳処理するのでしょうか?
目次
ファクタリングの仕訳の方法【仕入れから入金まで】
この章では、ファクタリンの仕訳の方法について説明していきます。
通常の売掛金の会計処理
まずファクタリングの会計処理の説明をする前に、一般的な売掛金の仕訳の方法について説明します。
知識の確認をするために、以下の仕訳を思い浮かべてください。
右の矢印をクリックすると答えがでてきます。
いかがでしたか?
これは簿記の基本ですよね。
実はファクタリングを利用した場合の会計処理はもう一つの仕訳作業が必要になるだけです。
ファクタリングの会計処理
ファクタリングの会計処理は通常の売掛金の仕訳と大して変わりません。
商品を100万円掛けで売り上げたとすると、借方には「売掛金」が100万円、貸方には「売上」が100万円になります。
その後、この売掛金を使ってファクタリングを利用したとします。
その時の仕訳は、借方「未収金」貸方「売掛金」になります。
売掛金を未収金と切り替えるのです。
なぜ、売掛金と未収金を切り替えるかというと売掛金は、営業活動から得るものであり、未収金は営業外活動から得るものになります。
ファクタリングは、営業活動で得られるものではないので、売掛金を未収金に切り替えるのです。
最後にファクタリングを行って資金が入ってきたときの仕訳の方法ですが、借方に「現金」貸方に「未収金」になります。
以上が、ファクタリングの仕訳の方法です。
思った以上にシンプルだと感じた人が多いのではないでしょうか。
ところで、ファクタリングの仕訳をしていて、消費税はどうなるのだろうと感じた人は多いのではないでしょうか。
そもそもファクタリングに消費税はかかるのでしょうか。次の章では、ファクタリングにかかる消費税について説明していきます。
ファクタリングに消費税がかかるのか?
経営者のみなさんは消費税を意識することが多いと思います。
はたしてファクタリングには消費税がかかるのでしょうか?
は国税庁の見解を調べたところ、ファクタリングで得たお金に消費税はかかりません。
本来、金銭債権を譲渡した場合、譲渡対価の5%を資産の譲渡等の対価の額として計算します。
ただ、「資産の譲渡を行った者が当該資産の譲渡等の対価として取得したもの」は非課税とする定めがあります。
ファクタリング会社から債権者が受け取った事業資金はこれに該当するため、非課税となるのです。
次にファクタリング会社に支払う手数料の扱いはどのようになるのでしょうか。
答えはこちらに関しても非課税になります。
ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングを利用すると10%~30%かかるので消費税がかかる、かからないのでは大きな違いになります。
ただ一つ、ファクタリングにかかる税金があります。
それは売掛金をファクタリング会社に譲渡する時にかかる登録免許税です。
売掛金の所有がファクタリング会社にするために登記する必要があり、その際に登録免許税が必要になります。
以上が、ファクタリングにかかる税金関係の説明でした。
ファクタリングを行うに当たって消費税がかからないというのは大きなメリットになります。
では消費税以外にファクタリングを行うメリットはあるのでしょうか。
会計処理からわかるオフバランスの強み
ファクタリングは、融資に比べて会計上大きなメリットがあります。
それは、ファクタリングは会計上、オフバランスにできることです。
会計上オフバランスにできることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
オフバランスとは
そもそもオフバランスとはいったいなんでしょうか。
まずはオフバランスについて説明します。
オフバランスとは、賃借対照表(バランスシート)に計上される資産、負債をバランスシートから消すことで、企業会計が健全なように見せることができる方法のことをいいます。
本来、貸借対照表に載せるべき資産や負債をオフバランス化することによって企業の経営状態をよく見せることが出来るのです。
企業の経営状態をよく見せることが出来れば、銀行からの信用も高まり融資を受けやすくなるメリットがあります。
また上場企業の場合だと、会社の経営状態が良いと今後の業績に期待が持てるとみてくれるので株価の上昇要因になります。
ではなぜ、ファクタリングはオフバランスに使えるのでしょうか?
融資に比べると貸借対照表の見栄えが良くなる
融資は貸借対照表の負債に計上する必要がありますがファクタリングは違います。
ファクタリングは、融資と違い、貸借対照表に計上する必要はありません。
あくまで売掛債権を現金化するものですからファクタリングによってかかった手数料については資産から差し引かれるものの、負債として計上されることはないのです。
負債として計上されないということはつまり負債がないと同じ意味になるので、負債がない分、貸借対照表の見栄えが良くなるのです。
資金調達に融資ではなくファクタリングを使えば貸借対照表が軽くなり、オフバランス化に成功します。
融資だと手持ちの現金は増えますが、当然、負債も計上します。
一方、ファクタリングは手元の現金は増えますが、負債には計上されません。
つまり企業の営業活動の好不調を図る、ROA (総資産利益率)などが、融資よりもファクタリングのほうがよくなるのです。
最後に
今回は、ファクタリングの仕訳の方法について説明していきました。
それに付随してファクタリングには消費税がかからないこと、ファクタリングはオフバランスに有効なことなどについてもまとめました。
ファクタリングは、即日資金調達ができる便利なサービスです。
急な資金調達に対応できるように、ファクタリンの仕訳の方法を頭の片隅においておきたいですね。